東京都内最長を誇る商店街「パルム」をはじめ、いくつもの商店街が賑わう武蔵小山。
町工場も多く、下町の風情を漂わせる親しみやすい街だ。
そんな武蔵小山の駅から徒歩4分の場所に建つ、メカニカルな外観の集合住宅。
細長い路地に面して並ぶ、倉庫のようなスチール製のドアの一つを開けると、目に飛び込んで来たのは真っ赤なイタリアンバイク。この部屋に暮らすSさん(26歳)の愛車「ドゥカティ・749R」だ。
「最初は400ccのドゥカティ・モンスターに乗っていたのですが、よりドゥカティらしい大型車に乗りたくなって。
大型免許の取得前に今の愛車に出会って即購入し、3カ月後に晴れて大型免許を取得しました。
以前の家では屋根のない屋外駐車場に停めていたんですが、風が強い日にカバーが吹き飛び、
車体が倒れて大破損してしまったんです」
Sさんは慌ててガレージ付き物件を探し、出会ったのが現在暮らす『ガレージスペック武蔵小山』だった。
「同じ屋根の下で愛車とともに暮らす安心感は格別。気が付くとちょこちょこ磨いていたり、こまめに手入れができるし、毎日帰宅するたびに、思わず眺めてしまいますね(笑)」
1階にマルチに使えるガレージを備え、上階が生活空間という間取りのガレージスペック武蔵小山。
Sさんの部屋はトリプレットタイプで、最上階にはロフトも付いている。
専有面積は28m²とコンパクトだが、「この部屋に引っ越すにあたり、ベッドやテーブル、ソファ、
本などを思い切って手放しました。
必要最低限のものと空間での暮らしはかなり快適です。
面積的には以前の家より狭くなりましたが、天井が高くて開放感があるので苦になりません。
トリプレットというのも使い勝手がいいですね。2階は丸ごと洋服を置くスペースにしていますが、
空間の使い分けがきちんとできるので気に入っています」
今後は、打ちっ放しコンクリートの壁面にあるセパ穴を利用してテレビを壁掛けにしたり、
棚を取り付けたりと、少しずつカスタマイズしていきたいと話すSさん。
要るものと要らないものの足し引きを楽しみながら、ライフスタイルを見極めていく。
愛車とのミニマムな暮らしを叶えるコンセプチュアルな住まいは、住む人を「暮らしの達人」にしてくれるようだ。