若者の街、渋谷区原宿に建つ「THE SHARE」は、企業の独身寮だった、当時築48年の建物をリノベーションしたアパートメント、ショップ、オフィス空間を併せ持つシェア型複合施設。
「当社はこれまで中古住宅や遊休化した建物など、さまざまな不動産ストックの再生活用を手掛けてきました。シェアハウスでも、住人の間に豊かな人間関係ができて、いろいろなコラボレーションが生まれています。次の段階として、住宅だけでなく、オフィスやショップなども取り入れた複合施設をつくったら、もっと面白いことが起こるのではと、企画しました」
そう話すのは、企画担当の井上聡子さん。地上6階+地下1階の建物内には、1階にテナントショップ、2階にオフィス、3〜5階にワンルームのアパートメント64室が収まり、6階には居住者用のキッチンやダイニング、ライブラリー、ラウンジ、シアタールームといった贅沢な共用スペースを備えている。
居住者は主に20代後半から30代の単身者。その中の一人、2015 年に入居した建築事務所に勤める阿部彩華さんは、「仕事で遅く帰ってきても、ラウンジやライブラリーに行くと誰かが居て、おしゃべりしたり、お茶をしたり、時には食事の仲間に入れてもらったり。とてもアットホームな雰囲気です」と、シェアメイトと共に過ごすオフタイムを楽しんでいる。
「THE SHARE」では、居住者同士のコミュニケーションにフェイスブックを活用している。例えば、「これからシアタールームで〇〇を観ます」と投稿すると、共感した住人たちが集まってドラマや映画を観たり、「休日に○○に行きます」と告知して、皆でドライブに繰り出したりすることもある。(中斉さん)
また、ラウンジは、オフィス利用者も使うことができ、住人とも気軽に交流している。いろいろな仕事や趣味を持った人たちが時間を共有し、自分一人では得られない情報やスキルをゲットしながら、刺激的な毎日を送っている。