実家の敷地に建てた、総面積200㎡強の家 ダイナミックな空間で、のびのびと暮らす
30畳のLDK。平面を「へ」の字に曲げることで、強い西風を和らげ、奥行きも強調される
2017.01.20

実家の敷地に建てた、総面積200㎡強の家 ダイナミックな空間で、のびのびと暮らす

間口31m、446㎡の敷地にどっしりと佇むホワイトグレーの家。ガルバリウム鋼板の無機質な装いの家は、中に入ると一転、木質感に溢れた空間が広がる

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富山県は日本全国で持ち家率1位、1軒当たりの延べ床面積も、もっとも広いといわれる。富山県砺波市でチューリップ農園を営む伊藤さんは、奥さまと2人のお子さんとの4人家族。昨秋、実家の田んぼを宅地に転用して新居を建てた。それまでは市内のアパートに住んでいたが、長女が小学校に上がるまでには家を建てたいと、3年前から家づくりに動いたという。

物件データ 所在地/富山県砺波市
面積/200.12m²
築年月/2016年10月
設計//中斉拓也(中斉拓也建築設計)
www.nkstky.jp

「この辺の人は、結婚して1~2年、32~35歳で一軒家を建てる人が多いです。うちは決して早い方ではありません」と伊藤さん。
はじめは大手ハウスメーカーの住宅展示場や地元の工務店の内覧会などを精力的に訪れた。しかし、ピンとくるものがない。「家づくりって、そんなにワクワクするものではないのか…」と意気消沈して友人に話すと、建築家との家づくりを勧められる。それが富山市に拠点を置く中斉拓也建築設計の中斉拓也さんだった。

外壁と屋根にはホワイトグレーのガルバリウム鋼板を採用し、 シンプルに仕上げた
玄関土間からのびる通路の奥にLDKがある。幅広のフローリングは落ち着いた色のウォールナット
広々としたポーチと引き戸の玄関ドア。ガルバリウム鋼板とスギがマッチしてモダンな雰囲気に
玄関土間から続く中庭とデッキ。中庭には今後シンボルツリーを植え、バーベキューを楽しむ予定

中斉さんが導いたプランは、間口31mの敷地に見合う、どっしりとした平屋に近い家。また、ガレージ→玄関土間→ 廊下→LDKまで、約30m同じ天井の梁を続け、空間のつながりを強調した。
「梁が細かいのは、雪の荷重を分散して家に負担をかけないためですが、この構造がデザインにもなっています」(中斉さん)

ダイニングの窓から実家が見える。ナラの古材に黒皮鉄の脚を組み合わせた造作テーブルはご主人の自信作
ダイニングチェアはデンマークを代表するデザイナー、ハンス・J・ウェグナーが手掛けた「CH88」をセレクト
洗濯物を乾かす場も兼ねた広いユーティリティ。洗面台は造作。床は白×黒の塩ビタイルで市松模様に

庭を挟んでご両親が暮らす家があるが、家の中に入ってしまえば、お互いに気配を感じることなく過ごせるという。
「延べ床面積は60坪強ありますが、近隣の家と比べるとそんなに大きく感じません。でも、居心地のいい家になったと思います」と伊藤さん。家づくりは楽しく、いつか、もう1軒建ててみたいと思っているそうだ。

2階の子ども部屋。今はワンルームで使っているが、将来2部屋に分けられるようドアは2つ設けてある
キッチンのステンレス天板、大きなシンクは奥さまの希望。ダイニングの照明は北欧のルイスポールセン
text_ Sayaka Noritake photograph_ Akira Nakamura
取材協力

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