大阪の中心・梅田から徒歩10分の好立地にリノベーションで新婚夫婦の住まいを実現
2階全体がワンルームのLDK。広さは約20畳。天井には既存のマツの梁を生かしている
2016.06.17

大阪の中心・梅田から徒歩10分の好立地にリノベーションで新婚夫婦の住まいを実現

徒歩10分内にJRと阪急の駅、7~8分内には3本の地下鉄の駅がある便利な立地。買い物スポットもお花見も花火も、歩いて行って楽しめる、大阪都心の暮らし

TRIP
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大阪市を拠点に住宅や店舗などの設計を手掛けている建築家の松村一輝さんと奥さまの香織さんは、大阪府の中心である梅田から徒歩10分ほどの場所に建つ古い長屋をリノベーションして、新生活をスタートさせた。
「家づくりは立地が最優先でした。私が梅田の近くで育ったので、街中に住み続けたかったし、何より両親が実家の近くに住むことを強く希望していたんです」(香織さん)
いっぽう、一輝さんは、自分たちの予算内で市内の好立地に家を持つことは無理だと考えていた。
「ところが、いざ探し始めてみると、梅田周辺でも大通りから1本入ると、開発されず古い長屋が並んでいるところがあったんです。リノベーション前提で考えれば、梅田エリアに2人で快適に住める家が見つかるのではと思うようになりました」(一輝さん)

物件データ 所在地/大阪府大阪市
面積/64.02m²
築年月/2014年8月
設計/coil松村一輝建築設計事務所
www.coilkma.com

不動産会社に紹介された物件は、建物自体は古いが、前のオーナーが丁寧に住んでいた様子がうかがえるきれいな状態だった。2人とも気に入り、購入を即決。リノベーションの設計はもちろん一輝さんが担当した。
 まず、耐震補強と断熱補強をしっかり施し、床は鉄筋を入れてコンクリートを流し込み、新築同等の住宅性能に改善。そのうえで、明るい2階にワンフロアのLDKをつくり、1階に広い玄関土間と寝室、水まわりを配した。既存の梁や柱、建具を生かし、年月を経たものの味わいが生きた住まいが完成した。

レトロな長屋の街並み。白い2階建ての建物が松村邸。外壁に高圧洗浄を施して白く塗装した
レトロな長屋の街並み。白い2階建ての建物が松村邸。外壁に高圧洗浄を施して白く塗装した
既存の木製ドアをペイントして、トイレの扉に。内側の壁の一面は黄色に塗装した
既存の木製ドアをペイントして、トイレの扉に。内側の壁の一面は黄色に塗装した
広く取った土間玄関。既存の内装を解体したときに出た床材を使ってシューズラックをDIY
広く取った土間玄関。既存の内装を解体したときに出た床材を使ってシューズラックをDIY

長らく郊外で暮らしてきた一輝さんにとって、初めての都心生活は、「便利すぎるくらい便利で快適。事務所への通勤も自転車です」
 近年は梅田だけでなく、家から徒歩圏内の中崎町周辺も、お洒落なカフェや雑貨屋が集まる人気スポットに成長。2人でショッピングやティータイムを楽しみに街に出かけることも多い。また、JR大阪駅直結のファッションビル「グランフロント大阪」もお気に入りの場所のひとつ。
  「ケーキとコーヒー豆を買ってきて、家でゆったり食べるのも好きですね」(香織さん)

キッチンカウンターと夫婦のワークスペースを連ね、LDKを広く使えるように工夫。見せる収納で楽しい空間に
キッチンカウンターと夫婦のワークスペースを連ね、LDKを広く使えるように工夫。見せる収納で楽しい空間に
キッチンからリビングダイニングを見る。食卓のペンダント照明はこの部屋に合わせてオリジナルで製作
キッチンからリビングダイニングを見る。食卓のペンダント照明はこの部屋に合わせてオリジナルで製作

近所には公園や桜並木もあり、お花見や新緑、紅葉を味わう場所もたくさんある。北の方へ歩けば淀川に出会い、夏は花火も楽しめる。
 さらに現在では、梅田貨物駅跡地の再開発工事が進行中。ますます充実した都心居住が期待できそうだ。

階段の上に構造用合板を新設し、収納スペースに。手すり壁には、解体した型ガラスのドアを再利用
階段の上に構造用合板を新設し、収納スペースに。手すり壁には、解体した型ガラスのドアを再利用
玄関の裏側にある寝室。壁の厚みを利用して本棚を造作。通路とはカーテンで緩やかに仕切れる
玄関の裏側にある寝室。壁の厚みを利用して本棚を造作。通路とはカーテンで緩やかに仕切れる

text_ Sayaka Noritake(colonna) photograph_ Akira Nakamura

取材協力

HOMETRIP Styles of living

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