豊かな自然環境を育み継承する、 緑・住・農一体型の新しい住まい方
建物前面には、約60坪の景観緑地。樹木が大きく成長すると心地よい日陰をつくる
2015.07.21

豊かな自然環境を育み継承する、 緑・住・農一体型の新しい住まい方

都心から「つくばエクスプレス」で45分。研究都市として知られる つくば市に誕生した「春風台」でかなえる、自然や農園とふれあう暮らし

TRIP
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つくば市の中心地から約3km、数百年前からの田園風景が広がる町「春風台」。屋敷林と谷地田に囲まれた水はけのよい台地で、河川の氾濫による洪水や山崩れによる土砂災害の心配がない地域である。北方には筑波山が美しく眺められる。

物件データ 所在地/茨城県つくば市春風台
面積/195.05m²
築年/2014年3月
宅地造成/UR都市機構
harukazedai.com
※「緑住農一体型住宅地」は、定期借地権の分譲
もあります。
低密度開発方式によって開発された春風台。広々とした敷地に個性的なデ
ザインの家々が並ぶ

この地域に、宅地に緑地と農地を組み合わせて付加価値をつけた「緑・住・農一体型街区」の造成が進められている。これは、道路に面した12mの部分を緑地にして景観を共有するデザイン(景観緑地)とし、隣家との間に果樹・菜園の農地を配置した、日本では初めての試みである。 春風台・桜中部地区まちづくり協議会の酒井達さんは話す。「環境共生型住宅地として有名なアメリカ・カリフォルニア州のヴィレッジホームズや、シカゴ郊外のオークパークといった海外の一流と呼ばれる居住街区を参考に、『低密度開発方式』を取り入れることにしました」
 約100坪の住宅地に対して約60坪の景観緑地を各戸に配置し、住宅と住宅の間にゆとりをもたせる。さらに、農作業ができる約40坪の菜園も配置可能とし、「緑住農」が一体化した、自然に接したゆとりのある宅地開発を成功させた。


M邸は上品な佇まいの輸入住宅。グレーの外壁や白い玄関ドア、玄関ポーチの柱が印象的
M邸は上品な佇まいの輸入住宅。グレーの外壁や白い玄関ドア、玄関ポーチの柱が印象的
景観緑地に植えたシンボルツリーはコナラ。涼しげな樹形で洋風の外観にマッチしている
景観緑地に植えたシンボルツリーはコナラ。涼しげな樹形で洋風の外観にマッチしている

新しくなった春風台に、横浜から移住してきたというMさんご夫妻を訪ねた。輸入住宅の背後には菜園が広がり、海外の田園都市の風景を彷彿とさせる。  「私は10年間、つくば市にある国の研究所に通っていて、茨城は自然がきれいで、食べものがおいしいことに気が付いていました。これから住むなら、生産地に近いところに住みたいとずっと思っていたんです。そんなとき春風台の存在を知り、説明会に参加して考え方に賛同。ここに居を構えることを決めました」(ご主人)


家の裏にある40坪の菜園。タマネギ、ニンニク、カボチャなど20種類以上の野菜を育てている
家の裏にある40坪の菜園。タマネギ、ニンニク、カボチャなど20種類以上の野菜
を育てている
今まさに収穫どきの枝豆。採りたてを塩ゆでしていただくと、歯ごたえがあり至極の味だそう
今まさに収穫どきの枝豆。採りたてを塩ゆでしていただくと、歯ごたえがあり至極の味だそう

これまでほとんど野菜づくりの経験がなかったというご主人だが、菜園では20種類以上の野菜を育てている。今では毎日の手入れが一番の楽しみになった。「自然豊かで景色がよくても、不便なところが多いかも知れませんね。でも、ここは10分も歩けばスーパーもそろっていて、車を使わなくても便利に生活が送れるのでありがたいです」(奥さま)


ダイニングと引き戸でつながるキッチン。奥さまの希望でアイランド型を採用し、サブシンクも設けた
ダイニングと引き戸でつながるキッチン。奥さまの希望でアイランド型を採用し、サブシンクも設けた
遠くに望む筑波山やのどかな春風台の眺めは、窓を開け閉めするときの楽しみになっている
遠くに望む筑波山やのどかな春風台の眺めは、窓を開け閉めするときの楽しみになっている

text_ Sayaka Noritake(colonna) photograph_ Shinsuke Sato

取材協力

HOMETRIP Styles of living

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