瀬戸内海に向かって全面開口のあるLDK 広いテラスで絶景と一体になれる家
50帖もの大空間LDK。家具はなるべく置かず、空間を広く使っている。奥には17.5帖の和室
2014.12.19

瀬戸内海に向かって全面開口のあるLDK 広いテラスで絶景と一体になれる家

穏やかな内洋、瀬戸内海を部屋の風景に生かしたセカンドハウス。 海を眺めながらおおらかな気持ちで過ごす、海と共存する暮らし

TRIP
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大阪で会社を経営するMさんは、国際レースにも出場する腕前のヨットマン。以前より、海のすぐそばに家を建てたかったが、ひょんなことからその夢が実現した。 2011年、ヨットレースに参加するため、瀬戸内海を航行していたときにエンジントラブルにおそわれ、今治沖を漂流する事態に陥った。そのとき、Mさんは漂流していたところの海端の土地が売りに出ていることを発見。すばらしい景色が気に入り、購入を決心したという。
「建築家はネットで検索。ホームページに掲載されていた岡田俊彦さん設計の別荘を見て、この人なら自分がイメージするものができそうだと思い、電話で連絡しました。すると偶然、岡田さん自身、今治育ちということがわかり、風土を熟知していることにも安心し、設計をお願いすることにしました」(Mさん)

物件データ 所在地/愛媛県今治市
面積/234.448m²
築年/2013年12月
設計/スペースプロ一級建築士事務所
外壁は米スギの塗装仕上げ。風景になじみ、農家と並んでも違和感なく
佇んでいる

そして完成したのが、瀬戸内海に向かって広がるテラスと、吹き抜けのある50帖のLDKを持つ大空間。「この別荘のコンセプトは『マリンレジャー基地』。かしこまった別荘ではなく、大勢で気楽に使え、遊べる別荘を目指しました」(岡田さん)
Mさんの希望は、出来るだけ海に近いこと。そして海と一体感のある広い空間とテラス。「初めは25帖のLDKから図面を起こしたのですが、打ち合わせをするたび、もっと広く、もっと海に近く、と希望され、出来上がったら50帖ものLDKになっていました」(岡田さん)そしてそのLDKからは、穏やかな内洋に、正面の大三島をはじめ、いくつもの島が見え、まるで風景画のなかにいるようだ。


)リビングのソファからの景観。前方の大三島と海とテラスのバランスが最もよく、一番美しい眺め
リビングのソファからの景観。前方の大三島と海とテラスのバランスが最もよく、一番美しい眺め
ロードバイクも置ける広い玄関。左側には水着のまま入れるシャワーブース
ロードバイクも置ける広い玄関。左側には水着のまま入れるシャワーブース
間伐材も燃やせる「モキ製作所」(長野県)の薪ストーブは現地に行って購入。炎がとてもきれい
間伐材も燃やせる「モキ製作所」(長野県)の薪ストーブは現地に行って購入。炎がとてもきれい
ご主人のたっての希望でLDKのコーナーに設けたバー。最近カクテルづくりにも凝っている
ご主人のたっての希望でLDKのコーナーに設けたバー。最近カクテルづくりにも凝っている

そしてそのLDKからは、穏やかな内洋に、正面の大三島をはじめ、いくつもの島が見え、まるで風景画のなかにいるようだ。この別荘には、Mさんのご家族やヨット仲間、ときには仕事関連の人を誘い、月2回は訪れるという。
「ここに来たら、昼間からワインを飲むこともあるし、泳いだり、近くをバイクや自転車で走り回ったり。とにかくみんな好きなことをして過ごしています。夕日もとてもきれいです」(Mさん)Mさんは最近、料理やカクテルにも興味を持つようになった。「この別荘を持ってから、毎日の生活のなかでストレスが気にならなくなりました」とMさん。仕事を辞めたら、住民票を大阪から今治に移すことも考えているという。


テラスのコーナーには「TOTO」のジャグジーバス。泳いだ後、ザブンと入るのが最高に気持ちいい
テラスのコーナーには「TOTO」のジャグジーバス。泳いだ後、ザブンと入るのが最高に気持ちいい
浴室にはテラスから直接入れ、パウダールームに続く。バスタブの横にはサウナも
浴室にはテラスから直接入れ、パウダールームに続く。バスタブの横にはサウナも

text_ Sayaka Noritake(colonna) photograph_ Akira Nakamura

取材協力

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