周囲の町並みや自然にも馴染んで さりげなく建つ、木張りの家
奥さまの希望で、ダイニングの隣にいつでもゴロリと横になれる小上がりを設けた
2014.05.20

周囲の町並みや自然にも馴染んで さりげなく建つ、木張りの家

自分たちらしさを大切にしながらも、地域と調和する家を建てたい 鎌倉の自然環境とのどかな時間を愛する夫婦の家づくり

TRIP
25

静かで趣のある雰囲気に包まれたJR横須賀線の北鎌倉駅から、ゆっくり徒歩で20分。町を見下ろす高台に出ると、緑に溶け込んで佇んでいる一軒の家を見つけた。ここが本日お邪魔するSさんご夫妻の住まいだ。
ご夫妻は2年前の6月、ここに家を建て、東京から引越して来た。海も山もある、自然に恵まれた鎌倉に奥さまがずっと憧れ、3年かけて土地を探したという。「土地はネットで探しました。実際にこの土地を見に来たら、緑がいっぱいの環境に魅せられ、その場で心は決まっていました」(奥さま)。

物件データ 所在地/神奈川県鎌倉市
面積/81.31m²
築年/2012年6月
設計・施工/加賀妻工務店
http://www.kagatuma.co.jp/
スギの木張りの外観。モダンなフォルムに仕立て、重々しい感じはなく、景観に馴染んでいる

もともと木のぬくもりが好きなご夫妻が、家づくりのパートナーに選んだのは、茅ヶ崎市にある地域密着型の工務店。 「雑誌で施工例を見て一目惚れしました。使っている素材が自然素材で、信用できると思ったのが一番の理由。鎌倉の風土をよく知っているのも魅力でした」(奥さま)。
スギの木張りの家を希望していたご夫妻の意向に沿って、内装はもちろん、外装もスギの木張りで仕上げた。天井は直天井とすることなどで、階高を抑え、玄関ドアも同じ素材で建具屋さんにつくってもらうなど、できるだけ周辺環境に溶け込ませるように建てた。「道路側の壁には、大きい窓は設けず、小さな窓をいくつか設け、庇をつけてこの家の顔にしました。木を多く使っていても、控えめでスッキリとモダンに見えるでしょう」と話すのは、設計を担当した加賀妻工務店の高橋一総さん。


LDKはひと続きの空間。サイズを抑えた東の窓は、額縁のような効果で外の風景を取り込む
LDKはひと続きの空間。サイズを抑えた東の窓は、額縁のような効果で外の風景を取り込む
レンガを張った味わいのあるキッチン。将来、食洗機が入れられるよう配管も工事済み
レンガを張った味わいのあるキッチン。将来、食洗機が入れられるよう配管も工事済み
2階のリビング。ウッドデッキを設け、空間が外に向かって広がるようにした
2階のリビング。ウッドデッキを設け、空間が外に向かって広がるようにした
)経年変化で味わいを増すスギの外壁に合わせ、玄関ドアもスギで製作
経年変化で味わいを増すスギの外壁に合わせ、玄関ドアもスギで製作

「周囲に対して、いばって建っているような目立つ家は好きではありません。地域に馴染んで、さりげなく建っている家のほうがずっと魅力的だと思うんです」(奥さま)。この家で奥さまが一番気に入っている場所は、ダイニングの隣につくった、畳敷きの小上がり。
「日々、この家は最高だなと実感しています。耳を澄まして、外の鳥の声を聞きながらゴロゴロしたり、のんびり雑誌を読んだりしているときがとても幸せです」(奥さま)。
鎌倉の自然環境と調和した、こだわりの住まいで、将来にわたって愛着を感じながら暮らしていける心豊かなライフスタイルをかなえている。


ドアを開けると、広くて気持ちのいい土間仕様の玄関。2台の自転車の駐輪スペースも
ドアを開けると、広くて気持ちのいい土間仕様の玄関。2台の自転車の駐輪スペースも
琉球畳でモダンにしつらえた1階の和室。夏はここが寝室になる。反対側は吊り押し入れ
琉球畳でモダンにしつらえた1階の和室。夏はここが寝室になる。反対側は吊り押し入れ
LDKの上には勾配天井を利用してロフトスペースも。寒い冬はここで寝ている
LDKの上には勾配天井を利用してロフトスペースも。寒い冬はここで寝ている

text_ Sayaka Noritake(colonna) photograph_ Akira Nakamura

取材協力

HOMETRIP Styles of living

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