白亜の外壁に濃い色合いの木材を多用したエキゾチックな住空間、そしてリビングいっぱいに広がるオーシャンビュー。鎌倉市腰越の高台に、まるでリゾートホテルのような住まいを作り上げたのが、平戸さんご家族だ。竣工したばかりの新居に暮らすのは、自営業の平戸さんご夫妻に24歳の長女、そして84歳になる、奥さまのお父さまの4人。この敷地はもともと30年ほど前に奥さまのお父さまが購入し、コンクリート造の家を建てて住んでいたという。奥さまはすでに結婚して家を出ていたが、長男の誕生と同時に再び同居。以来25年間ほど、この地に住み続けてきた。 「横浜市南区で生まれ育ったのですが、あるとき父が『眺めがいい土地を見つけたから』とここの土地を購入しました。こんな崖地ですから、地震や強風に強い家を、ということで父はコンクリート造の家を建てました。ところが、窓が小さく、せっかくの眺望が生かされていませんでした。カビや湿気もひどく、窓を大きくしたい、といったリフォームを施すこともできず、次に建てる家はコンクリートはやめよう、と思っていたんです」(奥さま)。
築30年が経過し、ご夫妻は建て替えを決意。コンクリート造でなくても耐震性が高いことと、リゾートのようなデザインを実現できることを条件に情報を集めはじめ、骨組み接合部を強化することで木造でも十分な強度を実現できるSE構法と出合う。 「夫婦とも働いているので、帰ってきて思い切りくつろげる家にしたいと思っていました。調べていくうちに、海が見渡せる大きな窓をLDKに取り付けるには、SE構法が適していると知ったんです」(ご主人)。
いくつかの建設会社を当たり、デザインテイストが最も好みだった(株)平成建設に設計施工を依頼。ロフトの設置や海を眺めながら入れるバス、明るい玄関、大きなシューズインクローゼット、キッチンとパントリー、ランドリールームの動線など、細かな要望を全てリストアップし、そのほとんどを実現してもらった。 「同じ土地に住んでいるのに、まるで別の場所に引っ越したよう。それぐらい眺望が違いますね」(ご主人)。 最高のロケーションを最大限に楽しむ暮らしを手に入れた平戸さんご家族。わが家こそ一番のリゾートなのだろう。